ギャルソン   

ギャルソンという言葉を知ったのはブッティック「コムサ・デ・モード」が流行っていた頃のこと。ファッション雑誌の影響は大きくてハウスマヌカンだとかギャルソンだとかいう言葉で溢れていた。でもギャルソンって男の給仕・使用人のことなんですね。外来語には日本的に解釈して使われている言葉がいっぱいある。

世界で活躍している日本人を知ることができた。
パリの中心市街地にあり、世界の著名人・有名人が訪れる老舗のカフェのギャルソンに日本人が初めて起用された。かといって凄い競争率かと言えばそうじゃなくて、フランス人しか雇わないという伝統がただ引き継がれてきただけのこと。人を雇うときに同じ人種を雇うことは人種差別ではなくごく普通のことなんだとか。それは当たり前に当たり前の事が分かるし出来るから。

ギャルソンというお仕事、日本のウエイター・ウエイトレスのように思われるが、かなりキツイ肉体労働である。定番の大きいトレーを左腕だけで支え、ワイン・グラス・料理を乗せて器用に運ぶのだ。右手はグラスを並べ、ワインの栓を右手だけで抜き、どんなに急いでいても軽やかに注ぐ。テーブルや椅子を整え、灰皿を置き、背中でお客が立ち上がるのを察し、ドアにお客が入ってくるのを見逃さない、タバコを持つお客にはさっと火をつける。狭い店内は自分の持ち場が決まっていて、フロアーからカウンターまでを同じ歩数で歩くよう心がけているという。その立ち姿はモデルのようでもあり、ホストのようでもある。自分はギャルソンを演じる役者でお客はそれを楽しみに来る観客であると彼はいう。その通り、彼の立ち姿が好きでサービスを受けたいという常連客が連日訪れる。常連客の話にも耳を傾け粋なジョークもこなすマナーも心得ている。日本人の気配りや心遣いが伝票の置き方にも現れていて、必ず裏向けに置くようにしているという。

大学卒業後に、その店の支店で働き出した頃、本店からやって来たフランス人の本物のギャルソンの凄さに驚き、ギャルソンを極めようと本店フランスに行こうと夢を追いかけて単身で飛んだ。日本とは違い固定給はなく、チップ制、お客の食べた15%が収入になるだけ。相当の覚悟が必要である。身体が資本なので調子が悪いとトレーを持ち上げる事も立っていることすら苦痛になる。無給でもいいからと不器用な人を修行をさせてくれる暇な店ではない。厳しいからやっている価値がある・・・という。

夢を追う若者を応援したい。頑張る人を応援したい。
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by martini_glass | 2007-07-04 00:51 | 私の日々雑感

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